医師と医師、そして医師と社会をつなぐ。
医師専用コミュニティサイト「MedPeer」には、医師同士でしか話せない疾患の情報や薬剤の処方実感に関する投稿など、医師の臨床をサポートする多様な情報が集結している。「MedPeer」は医師の集合知による医療の質的向上を目指し、石見氏が2007年にスタートした医師専用コミュニティサイトで、国内医師の3人に1人、10万人以上が参加している。
石見氏が起業したのは、東京女子医科大学循環器内科勤務中の2004年末。当時、医療訴訟が過去最高数となり、連日マスコミが医療訴訟について報道するなど、国民の医療への不信感は極限まで高まっていた。一方、現場では、多くの医師が強い使命感と高いモチベーションで、毎日朝から深夜まで、休まずに患者からの信頼と期待に応えている。石見氏自身もその一人だった。医療訴訟についての偏った情報が繰り返し報道されることは、病院への不信感をより高め、正しい医療知識の浸透や医療機関でのコミュニケーションに影響する。この悪循環を解決すべき課題と考え、石見氏は行動を起こした。
「ほとんどの医師は報道とは違うわけです。でも、患者さんは疑心暗鬼でやって来る。あまり知られていないと思いますが、医師一人を育成するには1億円かかるんです。税金から1億円かけて、人命や健康のために尽力する医師を育てたのに、その医師や病院への不信感を募らせるような流れは、どう考えても健全ではない。なんとかしたいと思いました」
現場の医師一人ひとりの技術や知識を高めるため、医師同士でしか共有できない悩みや症例を話し合うため、そしてそこで集めた現場の医師の声、正しい医療知識や見解を社会に発信するために2007年にスタートしたのが「Next Doctors(現MedPeer)」だ。
「当時流行り始めていたSNSの医師限定版があって、医師の声を集められれば、自分の考えが医師たちの中でも普通なのか外れているのかが分かると思いました。それがスタートです。最初はただの掲示板から始まったMedPeerも、今では様々な目的のツールとして完成度が高まってきています。たとえば、薬の口コミ共有やエキスパート医師への症例相談、論文検索などの他、社会に対しても、何かの医療問題について会員医師にアンケートをとり、数千人の回答を得て、その結果をマスメディアに発信しています」。国内の1/3の医師がMedPeerの会員であり、それはまさに現場の医師の意見と言える。コメンテーター1人の言葉よりも信頼に値する情報になりえるだろう。そして、正しい医療知識や病院情報の浸透に必要なのは、継続発信だと石見氏は言う。「医師の常識が世間の非常識ということは確かにありますし、逆も然り。その差を埋めるのがMedPeerの役割です。でも、単発の動きだけで解決はしない。大事なことは何度でも言い続けないと、非常識と常識の溝を埋めることは難しい。特に病気や病院のことって、今健康な人の記憶には残らないんですよね」
石見氏が起業したのは、東京女子医科大学循環器内科勤務中の2004年末。当時、医療訴訟が過去最高数となり、連日マスコミが医療訴訟について報道するなど、国民の医療への不信感は極限まで高まっていた。一方、現場では、多くの医師が強い使命感と高いモチベーションで、毎日朝から深夜まで、休まずに患者からの信頼と期待に応えている。石見氏自身もその一人だった。医療訴訟についての偏った情報が繰り返し報道されることは、病院への不信感をより高め、正しい医療知識の浸透や医療機関でのコミュニケーションに影響する。この悪循環を解決すべき課題と考え、石見氏は行動を起こした。
「ほとんどの医師は報道とは違うわけです。でも、患者さんは疑心暗鬼でやって来る。あまり知られていないと思いますが、医師一人を育成するには1億円かかるんです。税金から1億円かけて、人命や健康のために尽力する医師を育てたのに、その医師や病院への不信感を募らせるような流れは、どう考えても健全ではない。なんとかしたいと思いました」
現場の医師一人ひとりの技術や知識を高めるため、医師同士でしか共有できない悩みや症例を話し合うため、そしてそこで集めた現場の医師の声、正しい医療知識や見解を社会に発信するために2007年にスタートしたのが「Next Doctors(現MedPeer)」だ。
「当時流行り始めていたSNSの医師限定版があって、医師の声を集められれば、自分の考えが医師たちの中でも普通なのか外れているのかが分かると思いました。それがスタートです。最初はただの掲示板から始まったMedPeerも、今では様々な目的のツールとして完成度が高まってきています。たとえば、薬の口コミ共有やエキスパート医師への症例相談、論文検索などの他、社会に対しても、何かの医療問題について会員医師にアンケートをとり、数千人の回答を得て、その結果をマスメディアに発信しています」。国内の1/3の医師がMedPeerの会員であり、それはまさに現場の医師の意見と言える。コメンテーター1人の言葉よりも信頼に値する情報になりえるだろう。そして、正しい医療知識や病院情報の浸透に必要なのは、継続発信だと石見氏は言う。「医師の常識が世間の非常識ということは確かにありますし、逆も然り。その差を埋めるのがMedPeerの役割です。でも、単発の動きだけで解決はしない。大事なことは何度でも言い続けないと、非常識と常識の溝を埋めることは難しい。特に病気や病院のことって、今健康な人の記憶には残らないんですよね」